CCCDについて触れたので

以前別の場所で書いたCCCDに関するテキストを。

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好きなバンドの新しい音源がリリースされるにも関わらず、手に入れても聴くことができないかも知れない、もしかしたらそれを聴くことで音楽を聴くためのコンポが、ラジカセが、ポータブルプレイヤーが壊れてしまうかも知れない。
それがCCCDコピーコントロールCD)というモノ。



あたしも完全に理解してるわけではないけど仕組みを簡単に説明すると、元々の音楽データを書き換えて、パソコンで読み込もうとするとエラーを返すデータを仕込み、リッピングしたりコピーしたりできなくするもの。

普通のCDプレイヤーではこのデータは無視されることが多いために普通に聴くことができることがほとんどだが、エラーを訂正しながら読み込むために機械に負担がかかり、悪ければ読み込もうとした瞬間に、良くても長く使用すればほぼ確実に通常のCDを含む一切のディスクを読み込まなくなる(つまりぶっ壊れる)ことになる。その場合もメーカー側に補償の義務はなく、自己責任ということで片付けられてしまう。
通常のCDに比べた場合の音質の低下も免れないらしい。

CCCDを取り巻く現状については
http://park10.wakwak.com/~cik/cccd/
ここにわかりやすくまとめられてるので興味のある方はどうぞ。



要は不正コピーやネットを介して音楽データが流通してしまい、著作権が侵害されるのを防ぐために導入されたシステムで、レコード会社の本音としては正規のCDが売れなくなってる現状を打破する苦肉の策だというのは理解できるけども。

だけど。

実際コピーガードは簡単に破られてるし、CCCDにすることで売り上げが回復してるかと言うと絶対にそんなことはない。データを見ても明らかなのに。
そんな未完成で不安定なシステムのせいで、音楽を聴く楽しみを奪われるのはとても悔しい。
それよりも何よりも、CCCDのことをよく知りもしないで受け入れて、「嫌なら買わなきゃいーじゃん」程度で済ませてしまえるファンがいることが悲しい。

音楽に触れるきっかけが例えコピーだろうと不正にネットに流れた音源だろうと、それが素晴らしいと思えばあたしは製品を買おうと思うし、そうでなければ買わない。それだけだ。
それはあたしが音楽を聴き始めた頃、友達にもらったり、レンタルで借りてダビングしたカセットテープを擦り切れるまで聴いて感動し、なけなしのこづかいを貯めてCDを買ったあの頃の気持ちと何も変わっていない。
良い音楽に出会いたい。
良い音で、好きな環境で好きな音楽を楽しみたい。
そう思っているだけなのに。


レンタルでいいと思える程度の作品が、その程度ならコピーしたりHDに置いておいて飽きたら捨ててしまえばいいやと考える(あたしも含めた)ユーザーが、CCCDになったからと言ってそのアルバムに数千円のお金を出して買おうとするとも思えない。
だけど、タダで手に入ればいいかと言えばそうではない。
再生がきちんと保証された「CD」が欲しいだけだ。
CCCDはCDではない。利益だけを考えて世に出す不良品をどうして買うことができるだろう?
例えば、CCCDでのリリースを避けられなかった場合、著作権使用料でも何でも会社とアーティストが利益を確保できるだけの金額を上乗せしてくれても構わないから通常のCDでリリースされるなら、そっちを買いたいと思う。

あたしはCCCDを買わない。
例え音楽以外の面を含めて愛してると言えるアーティストが出すアルバムがCCCDでしかリリースされないとしても。
アーティストやレコード会社に、不正コピーを防ぐためにCCCDにし売り上げを確保する権利があると言うなら、あたし達には好きな音楽を好きなように聴く権利がある。