Delayedeadを聴きながら

delayedeadFree Throwの曲は思ったほどアレンジされてなくて、ほぼオリジナルそのままですね。新作ではあるものの、内容は過去の曲の集大成ってことなので前作*1ほどの期待とか感動はないかな。歌ってるのは確かに今の五十嵐隆なんだけど歌われてる曲は過去の五十嵐隆が作ったもので、釣り合いが取れてないというか、なんだか等身大の歌じゃなくなってる気がする。オリジナルの「明日を落としても」を聴いた時にあれだけ打ちのめされたのは、きっとその時に感じたことをその時思い付いた言葉で歌うことでそこに生々しさがあったせいで、新しくなったこの曲を聴いてもそれほど苦しくならないのはリアルさが薄れてしまったからなのかな。少なくとも今の彼からはもう「無理して生きてる事もない」という歌詞は生まれてこないと思うから。
ただ、前作を初めて聴いた時に少し感じた違和感みたいなものはまったくない。メジャーからではなくインディーズのDAIZAWAからリリースしたことを見ても、このアルバムが新規ファンを獲得することを目的としてないからだろうな。だからと言って多分古くからのファンに向けてというわけでもなく、あくまでも区切りとして自分達のために作ったアルバムのような気がします。
内側に向かいすぎたエネルギーが溢れてできたような初期シロップの曲が詰まっていて、シロップの原点を知ることができるそんなアルバム。名曲揃いです。インパクトはないけどきっと後から効いてくるんだろうな。
このアルバムで初めてSyrup16gを知った、という人の反応が楽しみです。そんなにはいないと思うけど。

音源化されてなかった曲の中ではいろんな意味で一番楽しみにしてたのは「エビセン」。タイトルが意味不明繋がりで前作の「メリモ」っぽい激しい感じを想像してたら全然違った。歌詞の中の「タイムマシーンの上で」が「魂の上で」って聞こえるので、もしかしたらエビセンも何か他の意味を持ってるんじゃないかと深読みしてみたけど思い付く言葉はなし。メリモ=Merry Moreみたいに何かの略だとかそういうのもなさそうな。真意のほどは、これから発売される雑誌の中で明らかになることでしょう。なってくれないと困る。

歌詞カードの最後、メンバーのクレジットの中で遂にキタダマキの名前が他の二人と並記されてますね。今までみたいに改行したり間隔開けたりせず。これでマキリンも正式メンバーってことなのかな。ライブ楽しみです。